低炭素社会シナリオ

国立環境研究所などで構成する「2050 日本低炭素社会プロジェクトチーム」
が、温室効果ガス70%削減可能 というシナリオを公表しました。

70%削減可能、というのに驚き、レポートを見てみました。

前提
一定の経済成長を維持し、エネルギー消費に直結するサービスを現状よりも適度に
向上させつつ、1990年比2050年にCO2排出70%削減。
ただし、人口減少を前提としているため、一人当たりのGDPを1〜2%向上と
していますが総GDPは減少、としている。

エネルギー需要は40〜45%削減、としている。
その方法として、主な項目は
 ・各種機器の高効率化(ボイラー モーター エアコン 照明 冷蔵庫 自動車
   エンジンなど)
 ・太陽熱、太陽光利用
 ・ハイブリッド、電気自動車の利用拡大
 ・人や貨物の移動距離の短縮
 ・公共交通機関の利用促進

エネルギー供給側の低炭素化(逆算すると30%ほどの削減となる)。
 バイオマス燃料、自然エネルギー天然ガス火力発電などの推進による。

結びとして、これを実現するには、国民の気候変化に対する危機感の共有と
政策措置を実行する強力なリーダーシップが必要、としています。

クレオソート

木材の防腐剤として昔から使われていたクレオソート
発がん性のリスクのある成分が含まれている、として
平成16年に使用が制限されました。
その後、クレオソートメーカーが規制対象成分の含有量
を減らした製品を開発していました。
その結果、国土交通省・平成19年度公共工事標準仕様書
で使用が認められました。
・・・・・
クレオソートの基礎知識
クレオソートには2種類あります
・コールタールを蒸留してえられるものを
 「クレオソート油
・ブナなどの木材を乾留することによってえられるものを
 「日局(日本薬局方クレオソート

日局クレオソートは医薬品の成分として使われています。

一方、クレオソート油は木材の防腐剤として使われます。
クレオソート油には含有成分として、芳香族炭化水素
タール類などが含まれます。
そのうち発がん性ありとして規制対象になっている成分は
 ・ジベンゾアントラセン
 ・ベンゾアントラセン
 ・ベンゾピレン     それぞれ10ppm以下
となっています。
・・・・・
これらの成分が10ppm以下の
「環境配慮型クレオソート油」が使用を認められました。

バイテク時代

バイオテクノロジー産業が第3段階に入っているそうです。

第一段階は、遺伝子操作による医薬品。
1982年に遺伝子組み換えインスリンが発売されたのが
口火を切りました。
・・・これを「レッドバイオ」とよびます。

第2段階は、遺伝子組み換え農作物。
1994年に商業栽培が始まりました。
・・・これを「グリーンバイオ」とよびます

第3段階は、生分解性プラスチックなどの工業製品。
現在、どんどん新しい製品が発表されています。
・・・これを「ホワイトバイオ」といいます。

宮田満氏(日経BP社バイオセンター長)稿より

グリーンは解りますが、なぜ医薬品がレッドで工業品が
ホワイトなんでしょう?

当社も「木質廃棄物からバイオエタノールを作る研究
を始める」と皆さんの前で大見得を切ってきたので
がんばらねば!

堀川浄化

名古屋市の中心部を流れる堀川を浄化しようという動きが
活発になっています。
堀川を仕事場にしている当社も興味を持って見ています。

堀川は名古屋城築城時に資材を運ぶために掘られた運河で
水源が無い川であるため、流れが無く汚れが目立っていま
す。
そのため従来から庄内川より、0.3t/秒の通水が行わ
れていましたが。

水質向上のため、堀川へ木曽川の水を流そうという試みが
始まりました。
木曽川の水を上水道として名古屋市へ供給している鍋屋上野
浄水場を経由して、0.4t/秒、一日3.4万tの水を
流します。
3月27日午後3時通水がスタートしました。
ただし、本格通水は4月22日からで、それまではテスト
で常時通水ではないそうです。

水質、周辺環境などに変化がありましたら、お知らせします。

環境対策と公取

新潟県佐渡市が環境対策の一環としてスーパーの
レジ袋の有料化を実施しようとしています。
市の指導で一律レジ袋を1枚5円で販売しようとしました。

ところが公正取引委員会から独占禁止法に触れると警告
されました。
「公正かつ自由な競争を促進するため、事業活動への不当
な拘束を排除する」という独禁法の主旨に反するためです。

一地方の小さな事件ですが、大きな問題点を感じます。

環境問題の解決のための住民の負担に対して歯止めがかかる
恐れがあります。

環境税」のように法律になればいいのか、地方自治体の
条例はいいのか、業界団体の申し合わせはどうか、など。

基本的に、企業に環境対策を求めることは、自由な競争を
阻害することですから。

結局、佐渡市は一律5円という決め方を止めて価格を各店が
自由に決める、ということで決着したようです。

3月20日 追記
この文章を改めて読んでみて、誤解を受ける恐れがあると
気づいたので、はっきりせておきます。
私は、企業に環境対策を求めることに反対しているのではなく、
公取に柔軟な対応を望む、ということです。

外材事情

統計によりますと、昨年の南洋材丸太の輸入量が
前年比若干プラスになりました。

南洋材丸太については産地国の事情によって昭和
50年代から大幅減が続いていました。
産地国の事情とは、熱帯林保護のための伐採制限
と産地国の工業化志向です。
当社の統計では輸入量は最盛期の1/20にまで
落ち込みました。
それが昨年0.3%ではありますが前年比増加
となりました。
(日本木材輸入協会・発表)

一方、米材は
米国の住宅着工数が減少しています。したがって
米国内の木材需要が減少しています。産地での木材
価格も低下傾向です。

その上このところの為替の円高で輸入コストが下
がっています。相変わらず船運賃は高止まってい
ますが。

自然エネルギーの採算

前回の、環境問題の勉強会報告、その2です。

自然エネルギーについての採算を概説していました。
太陽光発電・・・依然として採算取れない
風力発電・・・採算性OK
・マイクロ水力(農業用水路などに小さな水車を置いて発電する)
     ・・・可能性大
・木質バイオマス・・・原油価格上昇で採算ベースに
・廃食用油の利用・・・発生源での使用が原則
ということでした。

風力発電については当社で検討したことがあります。
思い出してみました。

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風力発電の採算性
(導入条件)
・定格出力200kw級風力発電機を購入する
・200kwをウイークデイの昼間、工場電力として使う
・工場が稼動していない時の風力発電電力を電力会社へ売電

1.風力発電を利用せず電力会社から買電した場合の電気料金
  =節約できる電気料金(3相200v契約) 50万円/月
2.工場が稼動していないときの電力会社への売電収入
  (売電料金 10円/kwhと仮定) 110万円/月
メリット合計(1+2)  160万円/月−−−A

某社の風力発電装置定格出力200kw(1機でなく複数台合計で)
の価格 3億円
これを、故障なし、保守点検なし、金利なし、で10年間で償却すると
 250万円/月−−−B

メリット(A)160万円 対 費用(B)250万円
→→採算が合わない
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という結論でした。
上記の発表では「採算OK」とか。
風力発電の装置の価格が下がってきたのでしょうか。