シックハウス

前回シックハウスについて触れましたが、その原因は揮発性有機化合物(VOC)
です。VOCにはホルムアルデヒドトルエン、キシレンアセトアルデヒドなど
いろいろな種類があり、それらの総称を総揮発性有機化合物(TVOC)といいます。

シックハウス対策として各省がVOCを低減させるための取り決めをしています。
建築基準法国土交通省)、②室内濃度指針値(厚生労働省)、
③学校環境衛生の基準(文部科学省
お役所のタテ割り行政にも困ったもんですが。
とはいっても住宅や学校を建てるには、守らなければならない基準です。

建築基準法は設計段階で、VOCを発生する建材の使用を制限することと、換気
装置を設置することが求められます。
それに対して②と③は出来上がった建物内でのVOC濃度を規制するものです。

私たちが新築の木造住宅に入ると、木の良い香りがします。ヒノキチオールや
テルペン類のにおいです。
あれもVOCの一種でTVOCの規制値に引っかかります。
ちょっとおかしい。

最後に、住宅を建ててしまってからシックハウスの問題を抱えている人に解決策を
提案します。
VOCは揮発性ですから時間とともに揮発量は減ります。
だから、新築のうちは窓を開けるなどして換気に注意していれば、やがてVOC濃度
は減ってきます。
早く減らしたかったら温度を上げて強制的に揮発を早めます。具体的には家中の暖房
器具を全開にして室温を上げること。火災に注意して。
これを「ロースティング」といいます。