ラワン について
日本が戦後南洋材の輸入を始めた頃、最初の産出国はフィリピンでした。
当時フィリピンには、現地名で「ラワン」と呼ばれている非常に性質の
良い木がたくさん有りました。
日本はその樹種だけを大量に輸入し、貯木場はラワンで一杯になりました。
そのころに「ラワン材」という言葉が一般に定着しました。大きな外材を
全て「ラワン材」と呼ぶのはその頃に習慣になったものです。
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やがてフィリピンのラワンは資源が枯渇しはじめ、代わってボルネオ島
からの輸入が増えてきました。ボルネオ島は南側がインドネシア、北東側
がマレーシア・サバ州、北西側がマレーシア・サラワク州になっています。
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フィリピンのラワンと同じ種類の木がインドネシアとサラワクでは
「メランチ」または「メランティ」と呼ばれ、サバでは「セラヤ」と呼ば
れていました。
日本ではその現地名でそのまま取引されていますが、種類としてはフィリ
ピン産ラワンと同じなので「ラワン」として取引されることもあり、
間違いではありません。
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そういういきさつで、ラワンという名前にはいろいろな意味が出てきました。
狭義には フィリピン産ラワン
広義には 東南アジア産ラワン、メランティ、セラヤ
超広義には 大きな外材全て
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分類学的にはラワン、メランティ、セラヤは
Dipterocarpaceae(二葉柿科)の Shorea属 Parashorea属 Pentacme属の3種
の取引名ということになります。
科名に日本語訳が付いているのは、いかに日本でおなじみの木であるかを
物語っています。